皮膚の診察へお越しになる患者様へ  
       
    病院に来院される皮膚疾患のワンちゃんのうち、半数以上がアレルギー(アトピー)性皮膚炎と考えられます。
 私(院長)自身も幼児期からずっと喘息やアトピー性皮膚炎で悩んで苦しんできました。
 (実は、アレルギー検査では犬、猫、ウサギ、ハムスターなどにアレルギー陽性なんです)
 飼い主様や、ワンちゃんネコちゃんの『痒い!つらい』という悩みが少しでも理解できる側として治療を
進めています。
 
     
  悪い状態の皮膚を評価するので、直前のシャンプーはしないでお越しください。
     (1週間に一度のシャンプーの場合は、洗う直前の状態でお越しください)
  普段のお食事(ドッグフードやキャットフードのメーカーや商品)、おやつの種類をお伺いしますので、
控えておいてください。
  シャンプーの名前と回数もお伺いします。
   
  アレルギー性(アトピー性)皮膚炎の治療の進め方
     アレルギー性皮膚炎にうち、環境アレルゲン(花粉、カビ、ハウスダスト)が主な原因のアレルギー性
皮膚炎を特にアトピー性皮膚炎と呼んでいます。
 なかなか「完治」に至ることが難しことも多いですが、なるべくよい状態を維持しましょうというスタンス
でお話を進めています。考え方や治療法を変えると病状が改善され、飼い主様の悩みも軽くすることが
できる場合が多いので決してあきらめないでください。
 
  治療の柱として
  @ 環境・飼い方の改善
  A  シャンプーやリンスなどのスキンケア
  B  フードの変更
  C 皮膚の栄養剤(サプリメント)
  D  薬物(治療薬)使用
   これらをワンちゃんネコちゃんにあわせて行います。
100頭のアレルギー患者がいれば100通りの治療があると言っても過言ではありません。
     
  治療の方向性について
    まず、その皮膚病がアレルギーであるかないかを判断する必要があります。
まずほとんどの場合は、皮膚が弱いために細菌やカビなどの皮膚病を併発しており、それらを良い方向へ導いてからの本格的な治療になります。
   @ ノミやダニ、ニキビダニやカイセンの検査と治療
    →毛を抜いて調べたり、皮膚の表面を少し削って顕微鏡で調べます。
    フロントラインなどのノミ・ダニ駆除薬を使用します。
   A カビの検査と治療
    →毛を抜いて顕微鏡で調べたり、カビを調べる監査培地を使用します
   B 細菌感染の検査と治療
    →抗菌剤を飲んで治療の反応を見ます
    どんな菌がいてどの薬が効くか調べることもあります。
   C アレルギー性皮膚炎の検査と治療を行います
    →皮膚の状況に応じたお薬を選択します。
    (治療の反応を見て、その都度お薬を変更していきます)
    血液のアレルギー検査を行います。
   D 特殊な皮膚炎の検査と治療
   上記の@から進んで病気を除外と確定していきます。
一つの治療を行ってから次へいく場合もあれば、一気にCまで進む場合もあります。
 
     
  ● とにかく、よく話し合って治療を進めていく病気ですので、遠慮なく考えていることを話してください。